トラベルクリニックの看護師に必要な能力

病院とは、疾患の治療をする場所だけではありません。健康診断や予防をするための施設もあり、そのひとつとしてトラベルクリニックが存在しています。トラベルクリニックとは、海外へと渡航する人が安心して過ごすことができるように、予防接種や健康診断、各種証明書を発行するためのクリニックです。海外と日本の医療体制や蔓延している疾患、生活習慣などは異なります。そのため、海外へと渡航する前に特定の病気に対する予防接種をしなければならないこともあれば、生活様式の違いからなりやすい疾患の相談、海外では禁止されている薬物の許可を求める書類を提出しなければならないこともあります。これらに対応することがトラベルクリニックの役割です。

トラベルクリニックに勤めている看護師の仕事内容は、一般的な病院や健診センターの看護師と大きく変わることはありません。診察の準備をはじめとした医師の補助、患者への対応、患者への説明などが主な仕事内容です。異なることといえば、各種書類を作成するスタッフと医師の間の連絡を取り持つことといえるでしょう。これらの業務内容から、トラベルクリニックの看護師には、優れた言語能力と海外における疾患に関する知識が必要となります。各種証明書の作成補助も看護師の仕事の内なので、それを読み取る言語能力は必要不可欠です。そして、患者が渡航する国の医療体制やなりやすい疾患などを知っていなければ、必要となる検査項目がわからずに業務をスムーズに進めることは難しいでしょう。

国ごとに必要となる検査内容の知識、渡航時に流行している疾患などの時事情報に明るいことも求められます。